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昨日、うちの病棟でアリアドネの弾丸を見かけました。
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アリアドネという名は「とりわけて潔らかに聖い娘」という
意味があるそうです。
ほぼ、私のことですね。 加藤はいね (30才処女)
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9年目にして配属された病棟の看板に、
「救命救急病棟」って書いてあったのです。がびーん。
いやー、人事の人さー「4階西病棟」つってたから、
「4西、4西」口酸っぱく言ってたからさー、
すっかりね、そのあだ名に踊らされて、
病棟の本名聞くの忘れてたわー。
いやー、看護師になって9年。
お噂は かねがね。
なにやらこの世界には、救急病棟って病棟もあるらしいよ、と。
ほんとにあったかー。
結構、身近にあったー。
ドラマの中だけの架空の病棟かと思ってたわー。
で、まあ、勉強もかねて、ドラマ「救命病棟24時」を
おさらいしたんですけど。
もうね、ドラマティック。
ドラマティック病棟と言ってもいい。
展開が、もうすごいわけ。
これが、あの有名なカードバトルかしら?デュエルかしら?
ってくらいの息を呑むドクターの処置シーン。
もうね、ずっと俺のターン。
メス、メス、クーパー、ガーゼ、吸引、
最後にクーパーを添えてターン終了!みたいな。
それに対する看護師がね、もう、全然物語を邪魔しない感じなわけです。
クーパーとかね、ガサ入れかってくらいゴソゴソ捜してる看護師、
一人もいないわけです。
ガーゼを出すとき、袋の切れ目が一生見つからない看護師も、
一人もいないわけです。
江口のキメ台詞が聞き取れなくて、5回くらい聞き返してる看護師も、
ひとっこ一人もいないわけです。
かたや私、看護師暦9年の粋(すい)を結集しても、
ドクターの言ってる言葉は、常時、呪文に聞こえるよー。
先輩の「急いで○○持ってきて!」の○○が、
1回で聞き取れたことがないよー。
そんな私がね、ついに躍り出たわけです、救急のピッチに。
押すなって、押すなって、という上島ナイズされた動きで、満を持して。
加藤、登場!!!
登場して、3ヶ月。
全然、名前を覚えてもらえない。
1年目の超新人 後藤さんは、もう「ごっちん」とか
呼ばれてんのに、
私なんて、待てど暮らせど、無名。
加藤っていうね 安定感あるおなじみの代名詞を
背負ってやってきたんですけど、
完全に「看護婦さん」って呼ばれてます。
「看護婦さん」の名を欲しいままにしてる。
隙あらば、看護婦さんにも「看護婦さん」って呼ばれる。
もうね、今日という今日は名前だけでも覚えて帰ってもらいたい。
救急病棟に、加藤ありき!と。
したら、
「今、入院した患者さん、即オペになったから!」
っつー怒涛の展開がドラマティック病棟に起こったわけ。
もう、一刻も早くオペが必要と。
担当の先輩やドクターは、すごい動き。
口々に指示を出し合いながら、ちょっとしたデュエルを披露。
それ、腕にデュエルディスクついてんじゃないかっつーくらいの雰囲気でね、
もう、バトルと言ってもいいくらいのやりとりをしてるわけ。
飛び込まなきゃ・・・!あの渦に!渦巻きに!
ごっちんも私も、息を呑んだ。
だけど、そこはもう、小学校の長縄とびみたいでね、
入るタイミングが・・・ちょっと・・・
って思ってたら、ごっちんが「何かやれることないですか!」
って飛び込んだ。
ごっちん、憧れるわー。
惚れるわー。
今の間合い完璧だわー。
したら、先輩も、ゆっくり頷いて、
「ごっちん、じゃあ、手術部位の剃毛、お願い」
つったわけ。
そしたら、ごっちんがね、あの憧れのごっちんがね、
超マゴマゴしてるの。マゴついちゃってるの。
「あの・・私・・剃毛したことなくて・・・」つってんの。
もう、そのボールいただき!とばかりに飛び出ましたよ。
「私、できます!」と。
「私、剃毛できます!」と。
「この加藤に、剃毛はお任せあれ!」と。
したら、先輩が、じっと私の名札を見てから、
「加藤さん、お願い!」
って頷いた。
ごっちんが、ちょっと悔しそうな顔をして身を引いたので、
私は何ならもう江口になりきった感じで、
「ごっちん、剃毛、手伝ってくれない?」って声をかけた。
そしたらごっちんも「はい!」って嬉しそうに言うので、
「グズグズすんなよー」「加藤さんこそー」みたいな感じで、
ドラマティックに和解しつつ、
ごっちんに「俺の背中みとけ」って感じで、ドクターにかっこよく
「先生、剃毛部位は?」ってデキル女風に確認して、
「全範囲だ」って言われて、1発で頷いた。
セーフ。
先生の言ってることが、1回で聞き取れた奇跡。
前の病院では2年間消化器外科で働いてた。
どんな剃毛にも立ち向かってきた。
どんな湿地帯もアマゾンも、きれいに剃りあげてきた。
私は、道具をすばやくそろえて、ごっちんを従えて、
患者さんの病室に飛び込んだ。
そこには、ちっちゃいおじさんが居た。
緊急の手術を前に、やや緊張の面持ち。苦しそうではない。
私は、長年で培ったトークで患者さんをリラックスさせながら、
剃毛へと いざなう。
「手術って、やっぱり、そんなとこまで剃るんですね・・」
という患者さんに、
「そうですね、やっぱり毛の中にはバイキンが多いので、
ここから手術のあと感染したり うんたらかんたら〜」
なんて軽快なトークで、なめらかに下着を下ろして、びっくり。
樹海だ。
樹海である。
ちっちゃいおじさんが、猛威をふるっておる。
ごっちんが、無理だって顔をしてる。
ここを剃毛するなんて無理だって顔してる。
大丈夫。
私は目で合図した。
ごっちん、見てて。
もし「剃毛病棟24時」ってドラマがあったら、
江口は間違いなく私だよ。
私はごっちんに右手を差し出し「ハサミ」と言った。
ごっちんは、すばやく、私にハサミを差し出した。
「完璧・・ですね」
ごっちんが憧れの眼差しで私を見た。
たった10分。
ノルウエイの森が、更地に。
そしたら、ナイスタイミングで、先輩とドクターが病室に来たので。
私は先輩に子犬のように駆け寄って
「剃毛したんで、確認してください」
って微笑んだ。
見て見て。
私の武勇伝。
先輩が、オーケーオーケーと、微笑んで患者さんを見た。
下半身を見た。
そして叫んだ。
「頭の手術よ――――――――!!」
この叫びをね、私は生涯忘れないと思います。
先輩、大西ライオンかと思った。
で、一同絶句。
患者さんも、私も、ごっちんも、先輩も、ドクターも。
ただ、病室の時計のカチカチカチカチって音だけが響いてた。
ご、ご覧のとおり、頭ボウボウなわけです。
で、でも、下はつるっつるなわけです。
「なんで・・こんなことに・・」ってドクター。
完っ全っに、剃る場所を間違ってるわけです、私。
本丸を手つかずにして、
とんでもないとこを、思う存分剃りあげたわけです、私。
逃げも隠れもいたしません。はい。
患者さんも、「だよね」って言ってた。
「頭の手術なのに、すごいとこまで剃るなーって、
やっぱグローバルなんだなーって」とのこと。
グローバル間違え。
剃毛っていったら、下しかないと思ってた。
それから無事、頭の手術を終えた患者さんに、
もう、師長も主任も連なって、謝って、
患者さんの家族にも
「上の毛と下の毛を間違って剃ってしまいました」
と謝って、
最終的には、院長まで出てきて、
「上の毛と下の毛を間違って剃ってしまいました。
患者さんの苦痛を考えると・・・」
って謝って、
最終的に、私は
「上の毛と下の毛を間違って剃ってしまいました」
というミス・トラブル報告書を書いた。
さまざまな角度から、上の毛と下の毛を剃り間違える過程を
分析した、その壮大な書は、
救急病棟の報告書の決まりにのっとり、
朝の申し送りで1週間読みあげられました。とっくりと。
で、こころなしか、最近、先輩たちから、微笑まれる回数が増えたよ。
あと、色んな人に「アレ読んだよ」って言われる。
まさにベストセラー。
あと、もう、私の念願だったわけですが・・うん・・、
先輩たちもドクターもね、口々に言うわけです、
「救急病棟に、加藤ありき!」と。
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明日から本気出す!
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看護師になって9年くらい経つわけですが、
いまだに、挙動不審。
常に、お茶の間でテレビがラブシーンに突入したときの、
家族みたいな動きしてる。
お茶でも入れようかしら・・
新聞、新聞・・えっと巨人が・・
みたいな雰囲気で仕事してます。
もう9年間、見るものすべてが初めて。
いつも初見。
全然、地に足つかない。
常に、
落ち着けー落ち着けー
と思ってる。
大抵の時間をオロオロしながら過ごしてる。
あー、新人の追い上げがキツイ。
今年4月に入った新人とか、すげぇ追い上げてくる。
今年4月に入った新人とかの、伸びが、すげぇ。
私も4月からマジカル転職をしてこの病院に来た身分で、
スタートラインは、いわば同じ。
9年の経験値も なんのそので、結構いい勝負してる。
と、思ってたら、この前、この新人が先輩から、
あだ名で優しげに呼ばれてるところ発見。
す、好かれちゃってる。
7月の段階で好かれちゃってる。
7月とか、あれでしょ?
普通好かれたりしないでしょ?
世間の冷たさを知って、もっと、打ちひしがれる時期でしょ?
先輩に好かれるとかのイベントは、
3年後とかでしょ。のちのヤツでしょ。
ならばと。
私も…遅ればせながら、好かれたい。
是非とも、あだ名で呼ばれたい。
と、思ってね、ピッチに踊りだしました。
もうね新人がマゴマゴしてようもんなら、
そのボールいただき!とばかりにね。
「すいませんCT室がわからないんですが…」
とか点滴を引いた患者さんに言われようもんなら、
もうね、よろこんで!とばかりに、
流し目で先輩を見ながら、ご案内してたんですけど。
しめしめと思って、契約1個取ったくらいの気持ちで、
ご案内してたんですけど。
10分くらい経ったかな、
もうびっくりするくらい患者さんの思いにね共感。
すいません…ちっともCT室がわからないんですが…?
今までは、前の病院では、9年間で得た地の利を生かして、
どうにか先輩っぽい風をね、弱風ながらに吹かせてきたけど。
もう、そよ風的に。ほんと心づけ程度で。
「まあ、病院なんてどこでも一緒みたいなとこ、あるよね」
が、口癖だったわけですが。
一緒みたいなとこ、無かった!
まさかの、地の利ゼロ。
全然ちげぇ。見たことねぇ。
あー、クイズところ変われば!って山口さんが
あれほど口酸っぱく言ってたのに。
通っぽく「関係者以外」みたいなエレベーター乗ったら、
若干、お客に見せちゃいけない内部みたいなとこに降り立った。
土管でも潜ったかしら?っつーくらい、完全に地下面。
あれ、CT室・・噂では地下1階って・・あれ・・
ってモゴモゴ言いながら、必死に探したんですけど、
この段階になって、連れてきた患者さんが、
結構コワモテのおじさんでもあるなってことも
気になってきたんですど、
あー無言の点滴台のガラガラガラがね、
背中から、すごいプレッシャーで聞こえてくるんですけど。
その点滴棒、金剛力士像とかが持ってるやつじゃないですっけ?
くらいの猛々しさを背後から感じる。
もうね、1歩1歩が未知との遭遇なのに、
ピッタリついてくるのね、患者さんが。
案内してるから、当たり前なんですけど。
あれ、ドラクエの先頭の重圧ってこんなだったっけ?
みたいなね、
もうね、案内してるんだけど、ちょっともう巻きたい。
で、まあ、しばらく歩いたんですけど、
歩けども歩けども、おばさんたちがね、シーツをたたんだり、
シーツをたたんだり、たまに運んだり、
もー絶対CTを取りそうな気配がないわけです。待てど暮らせど。
白衣を着てる人すらいない。
完全におばちゃんとシーツの国。
で、私もね、大人ですし、後ろの金剛力士像が超無言だし、
ここはね、もう聞いてこ。と。
「えっと、地下1階にCT室があるって聞いたんですけど」
ってね、勇者が村人に話しかける感じで、
おばちゃんに聞いてみたんですけど、
「あーここじゃないよ。
地下は地下でも、東館の地下でね、
そこにいくには2階の放射線科の横の連絡通路から、
右に曲がってね」
つって、丁寧に教えてくれて、
「あー、あそこかー」つって、村人と別れたんですけど、
ピンときた感じ、存分に披露したんですけど。
全然ピンと来なかった。
完全に初耳。
初耳すぎて、最初の東館ってとこしか聞いてなかった。
あと、なんか右みたいな。右が肝みたいな。
んで、結局、おばさんに話を聞いた最初の1歩で道を間違えてね、
ほんと、第一印象から決めてました。
で、患者さんに「いや、こっちじゃない?」ってね言われまして、
結果、患者さんにCT室まで連れてってもらいました。
ほんとね、点滴棒を持つ姿なんて、まるで魔道師じゃない?
ってくらい堂々とした歩きっぷりで。
で、まあ、帰りも普通に迷いましてね。
CT撮ってたはずの患者さんの方が早く病棟についてました。
やっと・・故郷が見えた・・・
くらいの気持ちで帰りついた私を、
先輩がじぃ――――――っと見てました。はい。
え・・えへ・・って感じで笑ってみると、
「あなた、名前なんだっけ?」って聞かれたので、
満を持して
「伊藤です」って答えました。咳込みながら。
えっと、のちの加藤です。のちの・・・。
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チーム・バカスタの栄光
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外科病棟っていう命の最前線にいるんですけど、
一日の半分くらいを、モタつきながら過ごしてます。
すげー もたもたするー。
「メスー」つわれても、
「あれー?メスー?あれー?
確かさっきまでそこに置いたのにー、
あれー、しばしお待ちをー」
ってなる。
「クーパー」とか言われても、
「オーケー、クーパー。(ど、どれのことだっけ・・?)
クーパー・・クーパー・・。(クーってなって、パーっぽい形のものって・・)」
で、丸っこい大きめの綿棒っぽいものを勘で渡して、
すげぇ雷落ちた。
正解、ハサミだった。
ハサミにはね、子供からお年寄りまで超 親しまれた「ハサミ」っつー
素晴らしい名前があるっつーの。
どうぞ、お見知りおきをー。
なのにだ、気を許すとドクターのやつ、今度は
「コッヘル」
とかね、言い出すの。
コッヘ(る)!?
・・・パン屋さんのことですか?
パン、ぱくついちゃう?いっとく?
って思ったんですけど、えっと、ドクターが思いの外 真顔でしたので、
今度こそ!
つって、綿棒渡しました。
綿棒に続く、綿棒の応酬。
セカンド・オブ・雷。
(怖かった・・。マリオだったら、確実にイッキ減ってた・・)
つーか、正解ね、ちっちゃめのハサミだった。
コッヘルっつー人が、自分の名前、付けちゃってた。
パンの名前とか言って、ごめん。
でも、おめぇの「俺の名前うふふ」っつー茶目っ気で、
何千、何万というナース達が、多分、時代を超えてモタついてっから。
あー、日本人がもっと頑張ってくれれば・・今頃、医療ドラマでは
「シゲル」
「はい」
「タケオ」
「はい」
「マサオ」
っつー息を呑むオペシーンが見られたのに。
なんて、思ってる間も、ドクターは
「コッヘル」つって、
「コッヘル」つって、
おいおいコッヘル大人気だなあ、なんつって感心してると
「ぺアン」
とかね、言うから。
もーね、ペアンって何?
一個もねぇの、日本語の名前?
んで、案の定、モタついてると
「もー綿棒やめてね」
っつー的確なアドバイスが。
危なかった、ちょっと綿棒かなって思ってた。
で、まぁ、探すんですけど。
処置用カートをガサゴソするフリすんですけどね、
心当たり、全然ないわけです。
で、イチかバチか
「あのー・・ペアン・・無いです」
無いです、つってみた。
(私のイメージする)ペアンは無いですって。
パスしてみた。
「ペアン、無いわけ無いでしょ!」
パス、無しだった。
「あれだよ!鉤(こう)が無いやつ!」
思わぬヒントがね、飛び出したんですけどねー、
いやー、盲点。
待ちに待った日本語なんですけど、
「鉤」に対するイメージがね、ほんとね、案外ね、ふんわりしてた。
ここ28年生きてきて、鉤の有る無しをね、判断したこと無いのね。
鉤に触れ合わず生きてきた。
で、まあすげぇガサゴソってたら、ドクターが諦めたように
「じゃあ、もう、コッヘルでいいよー」つって。
いいのー!?
コッヘル先輩、すげー。
コッヘといて間違いねぇー。
つって、渡したんですが、
「あれ、ペアンじゃん、あったの?」
つってね、ペアンね、すげぇ、コッヘル先輩に似てた。双子。
んで、何だかんだで処置も佳境。
「ガーゼ、8つ」
つわれて、
「まかせて」
なんつって、ガーゼをね8つ渡したんですけど。
もうね、渡す早さ風の如し ですよ。
さっきまでのモタつきが嘘のよう。
えっとね、「8つ」ってね、「八折り」のことだった。
「八つに折られた」ガーゼを「一枚」のことだった。
もうね、ドクターの手元、ガーゼ 山盛り。
途中、ドクター「ちょちょちょちょ・・」つってたけど、
私のスゴイ早さに対する賞賛の声だと思ってた。
八枚のガーゼをこんもりさせて、満足げな私に、
ドクターは諦めたように「バブルの頃を思い出した」つってた。
んで、まあ、そのあと、
「セッシ」つって
「セッシ」つって
はいはいはいはい つって気を許してたら、
「ゾンデ」
つった。
ゾンデ――――――!!!
ゾンデっちゃったー!
ゾンデは ねぇよ、ゾンデは。
ぜってぇ、ねぇ。騙されねぇ。
ゾンデは、ひどい。ひどすぎる。やりすぎ。
ゾンデ、あった。普通に。
長細い棒みたいなヤツだった。
で、まぁ、どうにか日々を乗り切ってるんですけど、
右往左往しつつもね、だいぶね、認められてきてると思う今日この頃。
で、今日も、器具を片付けながら思ったんですけど、
コッヘルとペアンはソックリだなあと。
でもね、よくみると、コッヘルには先に爪みたいのがあって、
ペアンにはそれが無いのを発見しました。
あ、鉤ってコレ?
もうね、日々発見、日々レベルアップしちゃってます。
「ペアンは鉤がないから、ほんとハサミにそっくりー。」
なんつー、ツウっぽい発言もね、どんどん後輩に言える。
したら、後輩が
「ほんと、加藤先輩がこの前、婦長さんに、
『このハサミ切れないですよ、不良品ですよ!全く!』つって
ペアンを持ってってた時にはヒヤヒヤしましたよ」
と言ってました。
あー・・・。
あの不良バサミもペアンだったの・・?
へー・・。
そっかそっか。
ペアンって、この世界では、結構有名なんだ。そっか。
あ、じゃあ、あの時婦長の言ってた
「ほんと、バカとハサミは使いようねー」
って言葉もね、
バカにされてたのは、ハサミの方では、なかったと。うん。
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医療ミス
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朝起きたら、ボンドガールになってないかなぁ。
何かの手違いで。
かくいう私も仕事で手違いした。
仕事でミスった。
医療のド真ん中にいながらにして、痛恨のミス。
患者さんに食事を介助する時のこと、
「これ付けてお願いします」
って患者さんの家族から手渡された患者さん用の首かけエプロンを
「任せて下さい!」
なんつって、親指グーなんつって、
患者さんに付けないで、自分に付けてた。
もうね、何で自分に付けちゃったのかって、
ほんとね、説明できない。
看護師も4年目になりまして、
食事介助という食事介助を欲しいままにしてきましたし、
患者さんにとってエプロンはマストアイテムだって、百も承知。
でもね、その時はなぜか、
絶対、自分だっつー、言い知れぬ確信があったっつーか、
川がね、流れるがごとく、ほんと自然に付けてた。
もうね、何の疑いもなく、成人にもなって真顔で花柄の前かけ 付けてたわ。
あの時の、「・・・あ・・」みたいな家族の顔、忘れたいっ!!
いやね、若干おかしいと思ったんだ!
何かがいつもと違う感があったんだ!
アタシ食べないのに、何でエプロンするんだろうって。
あーもしかしたら、患者さんがすげぇ勢いで食べて飛び散った残骸が、
あたしの服に付かないようにかなって。
すげぇ親切な家族だなって。
もうね、婦長がちょっと後に通りかかって、
「加藤さん・・・」
っつー顔を見るまで、ほんと幸せな30分間でした。
一瞬にして、
鳥肌立ちました。
我に返りました。
点と点が繋がりました。
あっ。あたし。
もしかして、患者さんのエプロンしちゃってるってことない?
まさかねー! (なんつって自分見て)
してるー!ちゃっかり、してるー! (んで患者見て)
してないー!当たり前だけど、完全にノーガード!
激しく赤面し、今更脱ぐこともできない私に、
家族が必死に
「大丈夫、もう一枚ありますから、看護婦さんそれ使ってて下さい」
って言ってくれたんですけど、
もう、なんつーか、ほんと、惜しい…。フォローの角度が。
どっちかっつーと、脱ぎたい、今すぐ!
たくさんある看護業務の中で、よりによって、ここでミストラブル。
ハインリッヒの法則の片翼を担えるかは解らないけど、
婦長いわく
「見た方が、ヒヤリハットした」
とのことでした。
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手を・・・繋ごう・・・。
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トイレで、どっちかっていうと割りと無骨なモノの方をしたあと、
あなたはトイレットペーパーを何枚重ねで拭きますか?
久しぶりに開いた看護学生の頃の授業ノートの1ページ目。
すげぇひでぇセリフ。
私は物理以外の理科とか生物とかの授業が大嫌いで、
大嫌いというか、そっちがあたしのこと嫌ってるんでしょ?
ってくらいの嫌いさで、
お互い、多分、犬猿の仲で、
まー、それでもお互い大人なので、
当たり障りがないように、
看護学校の頃は、寝てたり、漫画読んでたり、お絵かきしてたりして、
授業を乗り切っていた。
そして微生物の授業が始まる時も、
あいつの言ってることは、ちっともわかんないんだよねー、
なんて思いつつ、
ノートに美人ミナヅキモと生徒会長ミナヅキモのラブコメを
せっせと描いて遊んでました。
そんな時、微生物の先生が言った発言がコレ。
『トイレで、うんこをしたあと、
あなたはトイレットペーパーを何枚重ねで拭きますか?』
私は、思わず顔を上げた。
すげぇ馴染みある言葉たち。
私は思わず駆け寄って、「トイレ」や「うんこ」という単語たちと抱き合った。
「えー、どうしたのー、なんでこんなとこにー?!」
「あの人がね、来ないかって誘ってくれたのー」
と「トイレ」が微生物の先生を指した。
その先生は、あろう事か、その上、こう言った。
『挙手してください』
花も恥らう看護学生たちに、
うんこしたとき何枚重ねで拭くか、
挙手しろっつーの。
で、まあ1枚やら、はたまた10枚重ねやら、プライバシーの侵害も甚だしく、
かたや、隣の席の子が1枚だったときの動揺、
おめぇそれ拭けてんの?っていう動揺から、
前の席の子が一回も挙手してなかったときの動揺、
おめぇ拭いてねぇの?っていう動揺。
団結が唯一の取柄だった我がクラスに、
すげぇ疑いの火種を投げかけ、散々プライベートな部分を荒らした上に、
先生はこう言った。
『微生物的にいって、
うんこが手に触らないようにするトイレットペーパーの厚さは…』
みの?
って思う程の、溜め。
あたしはセーフなのかアウトなのか。
よくハイタッチを繰り広げる仲良しのあいつはセーフなのかアウトなのか。
みんなが注目する中、
『29枚です(実験済み)』
クラス一同ボッシュート。
このエコの時代に、29枚なんて。
うんこ、想像以上に駆け抜けてた。世界駆け抜けてた。
まーつまり、トイレの後は手を洗いましょうってことなんだけど、
なんつーか、私は、微生物の授業は、大好きになりました。
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看護師の「師」!
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ここを始めて1年ちょっと過ぎました。
私が今まで何を伝えたかったかって、
何を言いたかったかって、
実はナースだぞ、
ナースはすごいんだぞ、
すごく大変なんだぞ、
ってことでは全然なく、
看護師の「し」は「師」!これに限ります。
なんかさー、3年くらい前からね、看護婦(ナース)も看護士(ナースマン)も一括して「看護師」に名称が変わったんだけど、
いまや婦長も師長になったんだけど、
これ・・
世間に全然浸透しねぇ。
婦長、恥ずかしくって、未だに一度も師長って呼んだ試しねぇ。
ギリギリ、男女一括の名称になったってのを聞きかじって知ってる人も、みんな「看護士」だと思ってる。
こっちとしてはさー、
こっちっつーのはナースサイドなんだどさー、
こっちとしては、なんつーかな、
医師に食い込んでくつもりで、
そんな意気込みでもって、この名称を胸に日々やってるわけなんですよー。
でもなにこの、看護師って書いてるこっちのほうが、ちょっと間違ってるみたいな気まずい空気。
だからね、みんなね、声を出してこう。
看護師のシは教師の師。
看護師のシは漁師の師。
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震度4っ!
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救命病棟を見まして (またこの話でごめんねー)
地震と医療のコラボってすげーぇ!なんて思いつつ夜勤に行ったわけだけど、
4時57分。朝っぱら。
今日は結構病棟も比較的落ち着いてて、いやーボロイ商売だーなんつって近藤さんに尿瓶(しびん)当ててた、まさにその時でした。
関東に震度4の地震発生。
いやぁ私なんか生まれも育ちも江戸っ子ですからね、
ちょっとやそっとの地震なんかじゃ驚きませんよ。
3くらいは日常茶飯事ですかんね。
・・・震度4、なめんなっ!
尿瓶(しびん)ズレズレだったからー。
近藤さんを9割方、受け止めそこねてるからー。
波打った尿瓶の中のもんが、近藤さんに思いっきりかかってるからー。
まさに生けるキャッチアンドリターン。
さっきまで「いつも悪いねぇー汚いのに」「いえいえ大丈夫ですよー」なんて和やかだった二人の間に、一瞬にして歪みが。
私はとっさに「地震だっ!」と叫び、その気まずい雰囲気を脱出した。
湿った近藤さんをよそに私は使命感に燃えていた。
きた!
ついにきた!
関東大震災(だと思ってた)!
シュミレーションはばっちりだ。
非常電源はコンセントを赤のプラグに差し込んで・・
酸素は出るかな・・
吸引圧は・・
私は患者の部屋をテキパキと見回った。
心は松嶋だった。
結局、停電すらしなかったわけだけど。
7割がたグースカ寝てたわけだけど。
いやーみんな無事で良かったねー
なんて、若干肩透しな感じでナースステーションに戻る頃
『たすけてー!』
の声。
もうね、救急カート持って駆けつけましたよ。
何なら除細動(心臓に電気かけるやつ。ドクターが持って「下がって!」とか言うアレ)持って駆けつけましたよ。
部屋に入ると、患者が倒れてた。
まではドラマ通り。
ただひとつ違ったことは、ポータブルトイレと一緒に倒れてた。
ポータブルトイレっていうのは、簡易便座みたいなもんで、トイレまで行くのが大変な人が、ベットの横で楽にトイレできるように設置されているものなんだけども・・・

この患者は不幸なことにポータブルトイレを使用中に被災したらしく、トイレと一緒に倒れたらしいんだけど、
トイレの中身がドアまでせめぎあってるんだよねー。お見事。
勢いあまった救急カートが患者の具を踏んづけてるんだよねー。前輪でウンコ一回点半。
患者の下半身は完全に浸水。
軽い院内スマトラを目の当たりにして、思う。
救命(ドラマ)じゃ、教えてくれなかった・・・。
つーわけで、東京震度4。
被災者2名。
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うんこと私の距離。
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看護師になって2年。
学生時代も含めると6年、もう看護に携わってる。
そんな中でベテランの先輩達は溜息まじりに漏らす。
「なんか、人が死んでしまう事に慣れてきちゃった・・」
そう、看護って一種独特の世界観に包まれてる。
そうして私たちは段々と常識の垣根を失いつつあるのかもしれない・・。
うんこがある。
わたしがいる。
最近、この距離感がすげー気になる。
というのも、看護を目指す前の私は、こんなにもうんこと間近で過ごす事に疑問を持たなかっただろうか。
普通の人は、うんことの距離はどのくらいで不快感を持つのだろうか。
私たちは普通の仕事の中で、うんこをすげー見る。
見まくる。
凝視する。
色はどうか。茶色いのか、ちょっと褐色なのか、黒くはないか、少し緑じゃないのか。
形はどうだ。コロコロか、ドロドロか、水か、ねばっこいのか、岩石か。
臭いはどうだ。うんこの臭いだけか、他は混ざってないか。
私たちはワインを愉しむように、うんこをテイスティングする。
なんならゴム手で触れて、前髪がくっつくほど近づいて観察する。
それを事細かに看護記録に書いたりするし、神妙な顔つきで他の看護師に申し送ったりする。赤の他人のうんこについて。
男性の秘部がある。
わたしがいる。
この距離感もすげー微妙。
これ拝まない日はない。
手で掴まない日はない。(洗うため)
あたし・・はじめてなのに・・・
こんなに手慣れていいの?
これ見つめながら天気の話とか出来るけど、いいの?
私本体を差し置いて、手の経験値だけが上がっていく。いいの?
テレビでたまたま弟と「るろうに剣心」とか見てた時、剣心は紙一重で相手の刀を避けていた。
あぶねーな。
もっと避けろよ。
だからたまに当たって怪我するんだよ。
・・・と、思ってた。
でもあれは、プロなら有り得るのかもしれない。
最近、私も道歩いてて、犬のウンコとか紙一重で避けてる。
ゲロとか馬の鼻差で回避してる。
まだ見ぬ初夜。
男性の裸に頬を赤くできるか、今から心配です。早く・・!
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(私を)救命病棟24時
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国際化だか何だか知らないけど、日本が大好き。鎖国してもいい。
異文化を満足にコミュニケーションした試しなんて、生きてきて一度だってねぇよ。
宇宙人だろうがアメリカ人だろうが、私にとっては同じこと。
ましてやそれがバングラディッシュ人だったら!
バングラディッシュから、はるか国境を越えて御入院。
彼=モハメドは本日、大腸カメラの検査を受けに、我が病棟にやってきた。
なぜ?
誰が彼の担当ナースになるか、激しい心理戦があった。
私は作戦Kを実行した。
ナースコールに対応する振りをして、その場からトンズラするのだ。
結果、しめしめとナースステーションに戻ってくると看護師は誰もいなかった。
そこにはモハメドと書かれたカルテと、
見たこともない黒人男性が入り口の前にポツンといた。
そしてその外人は、おぼろげなカタコトで
「スシマセン・・」
と、言った。
スシ・・。
試しに振り返っても、誰もいないことは分かっていた。
私は上がるしかなかった。モハメドとのリンクに。試合に。ガチンコに。
大腸カメラ。
大腸カメラの検査は簡単だ。
つまりお尻からカメラを入れて大腸の中を見てみようっていう好奇心旺盛な検査だ。
大腸の粘膜にポリープはできてないか。癌はないか。
でもそれを見るためには、大腸はキレイでなくてはならない。
そう、大腸カメラの検査は、ウンコの存在を許さない。
ウンコの影を微塵も残さず消し去ること。
それが大腸検査を受ける前に最も大切なこと。
それがたとえ、バングラディッシュ人であろうと、例外ではない。
そのため検査の前にはたらふく下剤を飲んでいて、もうビービーの状態なのだ。
そのビービーの液体が透明になったのを確認して、検査に送り出すのが、看護師の使命なのだ。
過酷だ。
病室にはモハメドと私。
まず、私としては、彼のお通じの状態が知りたい。
まだ形があるのか、もう下痢状になっているのか。
知りたい。
私とモハメドは見つめ合った。
私は高校まで無事卒業してるし、成績だってそれほど悪いわけではなかった。
英語だって、それなりにやってきたはずだった。
今、目の前にアメリカ人がいて、英語で自己紹介しろって言われたら、それなりのプロフィールだって言う自信がある。
だが・・・。
「お通じに形があるか、それとも下痢してるか」なんて英会話には、私はただの一度もお目にかかったことがない。
そんな赤裸々な文法を見たことがない。
ニュークラウンのケンやクミは、友達がどこに住んでるかは気になっても、友達の便通までは気にしたことがなかった。
そりゃあ・・。
モハメドが頼りなげな捨てられた子猫のような目で私を見る。
逃げたい。逃げない。私は看護師なんだ。
日本もバングラディッシュを超えて、私は看護師なんだ!
私は自分の人生の知識の水位を選りすぐり、ひねり出し、言った。
手を下のほうでグーからパーに力強く開くジェスチャー付きで。
しかも、グーからパーに開く瞬間に
「Water?」
自分で言うのも何だけど、蚊の鳴くような声だった。
ヘレンケラーかと思った。
そんな努力もむなしく、モハメドは「は?」って顔をした。その顔は世界共通らしい。
私はさっきよりもっと力強く、もっと尻の近くに手を持って行き、グーからパーに開いた。
このジェスチャーは、地元の友達作の「彼氏の陰毛、チョーボンバー」の時のアクションを一時お借りしたものだ。
「Water?」
顔が・・熱い・・。
こんな密室で、こんなボンバージェスチャーしながら、見ず知らずのバングラディッシュ人に水・・水・・言ってる自分に自分で赤面だ。
尾崎のアイラブユー並に捨て猫みたいな泣き声だった。
モハメドもモハメドで、そんな私に応えようと必死に私のジェスチャーを一瞬たりとも逃さないように食い入るように見た。
あ、そんなに見ないで・・。
そんなことをしているうちに、今度はモハメドの方が何かを訴え始めた。
彼はお腹を押さえて、うずくまる様な動作を繰り返した。
私はよっぽど動揺していたとしか思えない。
今となってみれば、これが「出そうだからトイレに行きたい」という動作以外の何ものでも無いのに。
私は自分で自分が信じられない。
ピンと来てしまったのだ。
『・・そっか、彼は朝から何も食べてなくて、ひどくお腹がすいているのだ』
と。
大腸カメラの前は絶食だ。
私は毅然として、言った。
『ノーッ!』
この時のモハメドの顔を、私は一生忘れられないかもしれない。
彼は途方に暮れながらも、懇願するようにお腹を抱え込むジェスチャーを続けた。
「だーかーらー、ノーだっつーの!」なんて言いながら、私も私でボンバージェスチャーを続けた。
そんな息を呑むような二人の攻防戦が数分続いた。
結局、限界が来たモハメドがトイレに駆け込み謎は解けるが、うんこの性状を見ようとトイレに侵入しようとした私との出会いは、彼の持つ日本人女性像を一変させる出来事だったと思う。
そうして今日、無事彼は帰って行った。
私の必死のジェスチャーを奇特なダンスと思ったまま。
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防衛 2005!
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20の誕生日に母からもらったのが、「基礎体温計」でした。
もう4年間緻密に付けられてる、私の安全日、そして危険日。
はたしてこの4年間、私になんの危険が?
しかしチャンピオンの防衛は続く。
2004年が終わりました。
2004年もまた、何一つの波乱に巻き込まれることなく終盤を迎えております。
イラク問題・・年金問題・・北朝鮮問題・・震える新潟・・
激動の2004年の中にいて、あたし・・ちっとも揺れてねぇ!
体のすみずみまでノンプロブレムって言ってる!
もしあたしが国って単位だったら、これ見事なまでに鎖国じゃね?
風呂上がりにリップクリーム塗れば、
やっべー、あたしの唇、もう何年ごぶさたなんだろ
って思います。
えっと・・チューの話ですよ。
僭越ながら、初めてのキスは、口の少し上、鼻の下にされた衝撃的な追突だった。
私はまだ中学生で、目をつぶっているだけで良かった。
そんなテクニック(名付けて黙祷)のままで24歳に突入した、この唇。
奪われる事も盗まれる事もなく穏便に過ごしてきた平和ボケのコイツにどうか!誰か!渇を!
ブランクありすぎて、口で口を狙うなんてゴルゴにしかできないんじゃないかって。
路チューなんて、いわば銃刀法違反に当たるんじゃないかなって。
そんな2004年・・・。
サザンの歌に感情移入できずに過ぎた夏も、今年も休み希望を出せずに出勤したクリスマスも、どっかでもう納得している。
ハタチ前後のような、焦燥感レベルで言えば「尾崎」級の焦りも最近はめっきり無く、ただひたすら毎日、この棚の上から彼氏が落ちてこないかなあ、肘枕しながら思ってます。
たまに熱い風呂に入って
「10分出ないで我慢できたら、今月中に彼氏ができる」
とか不毛な戦いを1人で繰り広げ、勝利するも、報われた試しがないのも世知辛い事実。全てはこの不況のせい。
この日本、男の数の方が多いはずなのに・・・・!
そして2005年の幕開け。
カウントダウンの瞬間・・何してましたか?
私は仕事してました・・よ。
はい、いらない、いらない、その募金でもしてしまいそうな目、いらないから。
地震、雷、火事、加藤、みたいな厄災入り御免ですから。
私はね、仕事好きなんです。
好きでやってるんです、仕事。
仕事ってのはね、そういうもんなんですよ。
暇で他に予定がないからやるもんじゃないんですよ。
しかも仕事ってのはね、待ってくれないもんなんですよ。
とめどないもんなんですよ。
だからクリスマスとかお正月に働いててもね、別に何か事情とかあるわけじゃないってことを、よーく、よーく、肝に銘じて読んで行って下さい。
でね、カウントダウン10分前。
私は1人の患者さんと対峙していました。
「あたしゃ、そんなホースみたいの入れないよ、やめとくれ」
「シゲさぁーん、おしっこが出にくくなってますからぁ、これ入れないとお腹がパンパンになっちゃうんですよぉ〜?」
「そんな声出したってねぇ、これは私の体なんだよ、そんなもん入れたくないんだよ!」
もみ合うこと数分。
気が付いたら0時3分でした。
私の2005年は導尿留置カテーテル挿入中、シゲさんの秘部に向き合いながら、明けたのでした。
HAPPY NEW YEAR!At her vital part.
私の処女歴は24年目に突入。
このサイトは2年目に突入。
看護師としては3年目に突入。
そう、突入されてないのは、加藤のみ。
そして今年もチャンピオンの防衛は続く。
さぁ今年もチャンピオンの防衛は続く。

